インプラント治療は気になるが、治療期間が長くなってしまうことでインプラント治療を迷っている方も多いのではないでしょうか? 治療期間が長くなる理由がわかれば、納得して治療が受けられると思います。
目次
インプラント治療全体の治療期間について
インプラント治療は、ブリッジや入れ歯とは異なり、数ヶ月かけて行われます。
歯茎の治癒やインプラントと骨の結合を確認するため、早くても治療期間は全ての行程を終えるまでには数ヶ月かかります。手術内容や術式方法によってはさらに半年以上かかります。
治療期間が長くなるのは、土台となるアゴの骨にインプラントを埋め込んた後、アゴの骨とインプラントがくっつくまで待つ必要があるからです。
治療期間はケース(症例)によってかなり異なります。さらに、骨が十分にある場合と少ない場合とで治療期間は異なります。
骨の厚みが少ない場合には、骨の量を増やす手術をします。その場合は、プラス1~4ヶ月くらいかかることもあります。トータルの治療期間は長くなりますが、骨が再生するのを待つだけの期間ですので、通院は必要ありません。
インプラント治療の流れ
1 カウンセリング・検査
- 通院回数:約1~2回
- 通院期間:約1日~2週間
正確で安全なインプラント治療を行うために、CT撮影をして、骨の状態や血管の位置などを調べます。
2 治療計画・治療費の説明
- 通院回数:約1~2回
- 通院期間:約1~2週間
患者さんに治療内容・費用・治療期間など、しっかり説明をし、同意を頂いてから治療にあたります。
3 インプラントの手術(1回法・2回法)
1回法手術:外科手術が1回
一回でインプラント埋入手術を行う
2回法手術:外科手術が2回
1回目の手術(インプラント埋入手術・1次手術)後、数ヶ月を経過し骨とインプラントが十分に結合してから、2回目の手術(2次手術)を行います。
- 通院回数:約2~6回(消毒や抜糸など含む)
4 被せ物(人工歯)作製と装着
手術後、1~3ヶ月後に、手術部位や口腔内のチェックをし型どりをします。
- 通院回数:約3~6回
- 治療期間:約1~2ヶ月
5 メンテナンス
- 通院回数:年に約2~5回
治療が終了し、特に問題がなければ、口腔内の状態に合わせて年に2~5回ほどメンテナンスに通って頂きます。
治療前の準備期間:診断と治療計画
インプラント治療の第一歩は、治療計画を立てることです。このステップでは、歯科医が患者さんの口腔内の状況を詳細に診断します。以下の項目が一般的に含まれます。
- レントゲンやCTスキャンでの骨の状態確認
- 歯茎や歯垢の健康状態の確認
- 健診による口腔全体のチェック
この期間は通常1週間から数週間程度で、患者さんの骨の状態や不正咬合の有無によってはさらに長引くこともあります。
インプラント手術とその後の回復期間
次に行われるのがインプラント埋入手術です。この手術自体は比較的短期間(1時間から数時間)で完了することが多いですが、術後の回復には時間がかかります。一般的には以下の期間が必要です。
- 手術後の痛みや腫れの軽減**:2〜3日程度
- 歯磨きや食事の注意点**:数週間
- 健診での経過確認**:術後数回の健診が行われます
この期間中、患者さんは無理をせず安静を保ち、歯磨きを徹底することが大切です。
骨結合の重要性とその期間
インプラントの成功には、骨とインプラントがしっかりと結合すること(オッセオインテグレーション)が重要です。この結合には数ヶ月かかることが多く、患者さんの骨密度や健康状態によって期間が異なります。
- 一般的には3〜6ヶ月程度が目安
- 骨が弱い場合や骨移植が必要な場合はさらに長くなることがあります
骨がしっかりと結合しない場合、インプラントの安定性が損なわれるため、十分な時間をかけることが重要です。
被せ物の作成と装着までの流れ
骨結合が確認された後、被せ物(クラウン)の作成と装着が行われます。このステップは以下のプロセスを含みます。
- 歯型の採取:歯科技工士が個々の患者さんに合った被せ物を作成します。
- 被せ物の試着と調整:一度仮の被せ物を装着し、フィット感を確認します。
- 最終的な被せ物の装着:問題がなければ最終的な被せ物を装着します。
この段階は数週間から1ヶ月程度で完了することが多いです。
インプラント治療が長引く場合の原因とは?
インプラント治療が予定よりも長引く場合、以下のような要因が考えられます。
- 骨の再生が遅い場合・・骨密度が低い場合や、患者さんの年齢によって骨結合に時間がかかることがあります。
- 歯周病や歯肉炎の治療が必要な場合・・歯垢が多い場合や歯周病が進行している場合、事前にその治療が必要になります。
- インプラントの位置や角度の再調整が必要な場合・・不正咬合がある場合、治療が複雑になることがあります。
これらの要因を早期に見つけ、適切に対応することが大切です。
治療期間を短縮するためのポイント
治療期間をできるだけ短くするためには、いくつかのポイントがあります。
- 口腔内の衛生管理を徹底する・・歯垢の除去や歯磨きの徹底を行い、歯周病を予防することが重要です。
- 定期的な健診を受ける・・治療期間中も、定期的に健診を受け、インプラントの状態を確認することが必要です。
- 正しい食生活と生活習慣を維持する・・栄養バランスの取れた食事や、骨を強くするためのカルシウムやビタミンDの摂取も有効です。
インプラント治療は長期的なプロセスですが、患者さんが適切なケアを行うことで、治療期間の短縮や成功率の向上が期待できます。
まとめ
インプラント全体の治療期間の目安
- アゴの骨が十分にある場合:約4~6ヶ月
- アゴの骨が少ない場合 :約6~14ヶ月
特殊な手術の場合は、手術を何回に分けて行うかによって回数は変わってきます。回数が多くなるほど、期間は長くなります。
骨の移植が必要な場合など、患者さんの状態や治療内容によって期間は前後しますので、目安としてお考え下さい。