インビザラインでの矯正治療を効果的に治療を進めるためには、アライナーの装着時間を守ることが一番大切ですが、通院頻度を守ることが重要です。治療中の通院頻度は、歯の動きの確認や口腔内の健康を維持する上で欠かせません。インビザライン治療における通院の目的や頻度、通院を怠ることで生じるリスクや、治療をスムーズに進めるためのポイントについてご説明します。
インビザライン治療中の通院頻度とは?
インビザライン治療中の通院頻度は、一般的に2ヶ月に1回程度とされています。これは、従来のワイヤー矯正が1ヶ月に1回の通院を必要とするのに比べると半分の頻度です。この理由は、インビザラインがあらかじめ計画された一連のアライナー(マウスピース)を使用して、患者さん自身で交換を行うため、歯科医師による頻繁な調整が不要であることです。
ただし、治療の初期段階では、歯の動きを細かくチェックするために1ヶ月に1回の通院が推奨される場合もあります。その後、治療が順調に進んでいると判断されれば、通院頻度は2ヶ月に1回程度に減少します。通院の頻度は担当の歯科医師の指示に従ってください。
通院時に行われる主なチェック項目
通院時には、以下のようなチェックや処置が行われます。
1. 歯の動きの確認
治療計画に基づいて歯がきちんと動いているかを確認します。この確認では、歯科医師が患者さんの口腔内を視診し、必要に応じて歯型や画像を用いて分析を行います。もし歯の動きが計画からずれている場合、治療計画の微調整や新しいアライナーの作成が必要になることがあります。
2. アライナーが歯にぴったり合っているか
現在使用中のアライナーが正しくフィットしているかをチェックします。アライナーが浮いていたり隙間ができていたりする場合、歯が計画通りに動かず、治療計画が遅れる可能性があります。問題がある場合は、歯科医師が新しいアライナーを作成するか、現在のアライナーを調整して対応します。
3. お口の健康状態のチェック
アライナー装着中は汚れがたまりやすくなるので、虫歯や歯周病になるリスクが高まります。通院時には、歯科衛生士がお口の中の健康状態をチェックします。虫歯が見つかった場合は治療を行い、歯周病が疑われる場合はクリーニングや適切な処置を行います。
4. 次のアライナーの受け取り
歯科医院によっては、初回にすべてのアライナーを患者さんにお渡しする場合と、通院時に複数回分をお渡しする場合があります。歯科医師はこの際、アライナーの使用方法や交換スケジュールを再確認します。
5. 治療の進行状況に関する指導
治療が順調に進んでいるかを確認しながら、アライナーの装着時間や交換スケジュールについて再確認します。さらに、歯科衛生士から患者さんの毎日のケアの方法について、例えば、歯磨きの仕方やデンタルフロスや洗口液などの使用について、具体的なアドバイスが行われることがあります。
6. 補助器具の確認
場合によっては、アタッチメントやエラスティック(ゴム)などの補助器具が必要となることがあります。これらは、より効率的に歯を移動させるために用いられます。
7. 患者さんとのコミュニケーション
通院時は、歯科医師や歯科衛生士が患者さんと治療について意見交換を行う貴重な機会です。患者さんが抱える疑問や不安を解消することで、治療に対する理解とモチベーションが向上します。また、治療計画の進捗を共有することで、患者さんが治療に積極的に取り組む姿勢を維持することができます。
他の矯正方法との通院頻度の比較
インビザラインと他の矯正方法の通院頻度を比較すると、以下のようになります。
- ワイヤー矯正・・1ヶ月に1回程度の通院が必要です。ワイヤーの調整や交換を行うため、頻繁な通院が求められます。
- インビザライン・・2ヶ月に1回程度の通院が一般的です。患者さん自身でアライナーの交換を行うため、通院頻度が少なくて済みます。
このように、インビザラインは他の矯正方法に比べて通院頻度が少ないため、忙しい方や遠方にお住まいの方にも適しています。
通院を怠った場合のリスクと影響
通院を怠ると、以下のようなリスクや影響が考えられます。
治療期間が延びる
歯の動きが計画通りに進んでいるかを歯科医師が確認できないため、治療期間が延びる可能性があります。
口内の健康の悪化
通院しないと歯科医院でお口の中をチェックすることが出来ないため、虫歯や歯周病の早期発見が遅れ、症状が進行するリスクがあります。
アライナーが歯に合わなくなる
適切なタイミングでのアライナー交換や調整が行われないと、アライナーが歯にフィットせず、効果的に歯を移動させることができなくなります。
その結果、治療効果が減少し、最終的な仕上がりに影響を及ぼす可能性があります。
治療をスムーズに進めるためのポイント
インビザライン治療を効果的に進めるためには、以下のポイントを守ることが大切です。
1. 通院頻度を守る
歯科医師の指示通りの通院スケジュールを守り、定期的なチェックを受けましょう。
2. アライナーの装着時間を守る
アライナーは1日22時間以上の装着が推奨されています。これを守らないと、僅かに後戻りが起きるために歯の移動が遅れ、治療期間が延びる原因となります。
3. 正しい歯磨きとケア
アライナー装着中は歯とアライナーの間に汚れがたまりやすいため、口内を清潔に保つことが大切です。毎日の丁寧な歯磨きに加え、定期的に歯科でクリーニングを受けることを検討してください。
4. 疑問点を早めに相談する
アライナーの装着感や治療の進み具合に疑問があれば、早めに歯科医師に相談することで、問題を未然に防ぐことができます。
5. アライナーの保管と取り扱いに注意する
アライナーを紛失したり破損した場合は、すぐに歯科医院に連絡して指示を仰ぎましょう。アライナーを適切に保管することによって治療がスムーズに進行します。
まとめ
インビザライン治療中の通院頻度は一般的に2ヶ月に1回程度とされ、従来のワイヤー矯正に比べて少ない頻度で治療を進められる点が魅力です。通院では歯の動きやアライナーがピッタリ歯にフィットしているかを確認し、口腔内の健康を保つための重要なチェックを行います。
また、通院頻度を守るだけでなく、アライナーの装着時間や口腔ケアを徹底することで、治療をよりスムーズに進めることが出来ます。インビザラインでの治療には患者さん側の自己管理が欠かせません。これはワイヤー矯正などの固定式装置との大きな違いです。