定期健診・予防歯科

歯磨きのタイミングを教えて

歯磨きのタイミングを教えて!

梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科 歯科医師 竹田 亮

歯磨きは虫歯予防、歯周病予防のために重要なセルフケアです。そのため出来るだけ効率のよい方法で行いたいものです。一番効果のある歯磨きの最適なタイミングを知って、お口の中を清潔にし、大切な歯を守りましょう。

1日の中での歯磨きのタイミング

歯磨き

1. 朝起きた後

朝起きた直後は、睡眠中に唾液の分泌が減少し、細菌が増殖しています。そのため、朝食前に歯を磨くことで、口腔内の細菌を減らし、健康な状態を保つことができます。

2. 食後すぐ

特に食事後30分以内の歯磨きが推奨されます。食後は口の中が酸性になるため、歯が溶けやすい状態になっていますが、30分経過することで唾液が中和し、歯磨きによるダメージを防ぐことができます。

3. 寝る前

夜は最も重要なタイミングの一つです。寝ている間は唾液の分泌が減り、細菌が増殖しやすくなります。就寝前の歯磨きで食べ物の残りカスや歯垢をしっかり除去し、虫歯や歯周病のリスクを減らしましょう。

4. 間食後

間食後も歯磨きを行うと、虫歯予防に役立ちます。特に砂糖を含む食べ物や飲み物を摂取した後は、歯垢が酸を生成しやすいため、早めに除去することが大切です。

5. 口の中が乾いたとき

口の中が乾燥すると、唾液の自浄作用が低下し、細菌が繁殖しやすくなります。口の中が乾いていると感じたときにも、歯磨きを行うことで口腔内を清潔に保つことができます。

歯磨きのタイミングは通常は食後30分以内

食後の口腔内は酸性に傾きますが、唾液の働きにより時間をかけてアルカリ性に戻していきます。同時に歯からミネラルが溶け出した部分が唾液の再石灰化によって修復され、再び硬いエナメル質が形成されます。

「酸蝕症」といわれる酸性の食べ物をよく口にすることでエナメル質が薄くなっている人には、食後30分ほど時間を空けてから歯磨きをした方が良いです。しかし大半の人は酸性の時間を短くするという観点でいえば、食後30分以内に歯磨きをした方がいいということになります。

虫歯菌の増えるタイミングはあるの?

お口の中の虫歯菌が最も増えるのは、唾液の分泌が少なくなる就寝中です。そのため、寝る前に歯磨きをして食べかすや歯垢(プラーク)をしっかり取り、朝起きてから食事をする前に歯磨きをして、夜間に増殖した虫歯菌を洗い流すのが良い歯みがきのタイミングであるといえます。

  • 朝の歯磨きは、就寝中に溜まってしまったプラークを磨き落とし、口臭を予防します。
  • 夜の歯磨きは、就寝中にプラークが増えやすくなるため、食べカスをきれいに掃除してむし歯菌や歯周病菌などの細菌増殖を防ぐための歯磨きです。

出来るだけ一日朝昼晩の毎食後にブラッシング(歯磨き)を行う事が大切です。毎日3回の歯磨きを心がけましょう。

しかし、仕事などで1日3回のブラッシング(歯磨き)が難しい場合は、夜だけでも丁寧に磨きましょう。就寝中は唾液の分泌量が下がるため、口腔内のトラブルのリスクが高くなるためです。

歯磨きする時間は長い方がいいの?

歯みがき時間の長さは必要ありません。歯磨きする時間が長すぎると、ブラッシングによって歯のエナメル質や歯茎を傷つける可能性があります。歯磨きはあまり長い時間行わず、歯1本に対して20~30回程度を目安に磨きましょう。

  • 歯を細かく磨ける鉛筆の持ち方で歯ブラシを持ちましょう。
  • 磨く際の圧力は、100~150グラムと、ほんの少しの力で十分です。

歯ブラシの持ち方が悪いと歯に圧力がかかりすぎて口腔内を傷つけてしまいます。また、力を入れて磨きすぎたために歯面に細かい傷が出来てしまうと、そこに汚れがたまってかえって汚れが落ちにくくなってしまいますので、正しい歯ブラシの持ち方と適切な圧でのブラッシングを心がけましょう。

歯磨きができない時は?

外出先などで歯磨きが難しい場合の対処法を3つご紹介します。

1.口をすすぐ、うがいをする

水で口をすすぐことで食べカスを洗い流すことができます。口をすすぐと食事によって酸性に傾いていた口腔内が中和され、虫歯のリスクが低くなる可能性があります。

マウスウォッシュを使用すると口臭予防にも効果があります。

2.ノンシュガー、キシリトール100%のガムを噛む

食後にガムを噛むと、咀嚼によって唾液が分泌され、口腔内を中和させる効果が見込まれます。噛むガムは、できるだけノンシュガーを選び(砂糖入りは、細菌の餌となってしまうため)、キシリトール100%のガムも望ましいです。

キシリトールは虫歯菌の増殖を抑える効果が見込まれます。

3.指磨きを行う

指磨きとは、自分の指を使って歯の汚れを落とす方法です。直接指を使うことに抵抗があれば、市販の歯磨きシートを活用すると良いでしょう。

朝の歯磨きは、起きて直ぐ?それとも食後?

 

歯磨きは「食べカスを落とす」というだけではなく、「歯垢を除去する」ためにするものでもあります。

朝起きてすぐに磨いた方がいい?

人は夜寝ている間に唾液の分泌が激減し、口腔内は細菌が繁殖しやすい環境にあります。 起きて直ぐに口臭が気になるのはこのためです。

それだけ口腔内は汚れているので、朝食前に起きて直ぐ歯磨きすることをおすすめします。

朝食後は磨かなくていいの?

食後は口の中に食べカスが残りますし、そのまま時間が経過すれば口腔内の細菌の活動によって歯垢が形成されます。できれば、起きて直ぐと朝食後に磨くことをお勧めいたします。

丁寧なブラッシングを行うことは、歯の健康を保つことに繋がります。

歯磨きのタイミングに関するQ&A

歯磨きは食後何分以内にすべきですか?

一般的には食後30分以内に歯磨きをすることが推奨されています。

歯磨きはどれくらいの時間が必要ですか?

歯磨きの時間は特定の長さが必要ではなく、歯1本に対して20~30回程度を目安に磨くことが大切です。

酸蝕症とは何ですか?

酸蝕症は酸性の食べ物をよく口にすることで歯のエナメル質が薄くなる状態を指します。

虫歯菌が最も増えるのはいつですか?

虫歯菌が最も増えるのは唾液の分泌が少なくなる就寝中です。

歯磨きができない時はどう対処すべきですか?

歯磨きができない時は、口をすすぐ、キシリトール100%のガムを噛む、指磨きをするなどの対処法があります。

まとめ

歯みがき

忙しくて日中はなかなか歯みがき出来ない方も、夜だけは丁寧にブラッシングしましょう。虫歯や歯周病の原因となる菌は、唾液の分泌の少ない夜の間に繁殖します。

日中の歯みがきはライフスタイルに合わせて、外出が多い方はうがいで済ませるなど、無理のないように行いましょう。

この記事の監修者
医療法人真摯会 梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科
院長 竹田 亮

2007年 国立長崎大学歯学部卒業。

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梅田茶屋町クローバー歯科・矯正歯科

大阪矯正歯科グループ大阪インプラント総合クリニック