入れ歯の臭いに関するお悩みでは、入れ歯自体に付いた臭いが気になる方と、口臭が気になる方がおられます。臭いの原因別に、対策についてご説明します。
入れ歯が臭くなる理由とは?
入れ歯は毎日取り外して洗う必要がありますが、入れ歯の臭いは入れ歯についた汚れが取り切れていないことが原因です。
歯に食べカスがついたままになっていると、時間が経過すると歯垢や歯石になり、内部に細菌が繁殖します。
入れ歯も同じように、汚れが落ち切っていないことで、細菌が繁殖して口臭の原因となってしまいます。
入れ歯のどの部分に臭いがつくの?
入れ歯のプラスチック素材は臭いがつきやすい
部分入れ歯や総入れ歯に使われているプラスチック素材は、レジンと呼ばれる樹脂で出来ています。
レジンは水分を吸収しやすく、臭いや汚れがつきやすいという特徴があります。
入れ歯の金属のバネに臭いがついている
保険の部分入れ歯には、金属のバネ(クラスプ)がついています。金具と歯の間には汚れがたまりやすく、臭いが発生する元になっている場合があります。
入れ歯の毎日のお手入れと洗浄について
入れ歯についた歯垢のことをデンチャープラークといいます。入れ歯は毎食後にブラシできれいに洗って、夜は寝る前に外して洗浄液に浸けておくことで、臭いを発する汚れを落とすことが出来ます。
1.水洗いは必ず流水の下で行う
入れ歯の汚れを洗い流した水から、再び汚れが入れ歯に付着するのを避けるために、水道水を流しながら、必ず流水の下で洗います。
入れ歯をシンクに落として割るのを防ぐために、水を張った洗面器などを下に置いて、その上で水道水を流して洗うと良いです。
2.専用のブラシを使う
入れ歯を外して手の平に乗せて、流水を当てながら専用のブラシで洗います。普通の歯ブラシでは入れ歯に傷がつきやすい為、入れ歯専用のブラシを使うようにしましょう。
ゴシゴシと力を入れすぎると、入れ歯に細かい傷がつき、傷の部分に汚れがたまりやすくなりますので、適度な力で擦るように気をつけましょう。
また、内面を力を入れて磨きすぎると、装着した際に歯肉との間に隙間が出来て、がたつきの原因になります。
バネの部分は汚れが残りやすいので、丁寧に磨きましょう。
3.普通の歯磨き粉は使わない
歯みがき粉の中には、歯の表面をきれいにするために研磨剤が入っているものがあります。しかし研磨剤は入れ歯の表面に傷をつけてしまいますので、研磨剤が入っていない歯磨き粉を使うか、もしくは歯磨き粉自体を使わずに洗うようにしましょう。
4.60度以上のお湯は使わない
お湯の方が汚れがきれいに落ちると思われるかもしれませんが、入れ歯は60度位の温度から変形を起こします。
60度以下のぬるま湯なら使っても大丈夫です。煮沸消毒は厳禁です。
5.漂白剤は使わない
入れ歯を洗う時に漂白剤を使うと、入れ歯が変色することがありますので、使用しないようにしましょう。
6.入れ歯洗浄剤を使う
ブラシで落としきれなかった汚れを落とすために、入れ歯洗浄剤を仕上げに使いましょう。
夜寝る前に入れ歯を外して洗ったあと、朝まで入れ歯を洗浄剤に浸けておくと、臭い対策に効果的です。
7.入れ歯を乾燥させない
お口の中は常に湿っていますので、入れ歯も湿った状態で維持するように作られています。入れ歯を乾燥させると、表面にヒビが入ることがありますので、保管する時は水に浸け、乾いた状態にしないように気をつけましょう。
入れ歯の臭いに関するQ&A
入れ歯が臭くなる原因は、入れ歯についた汚れが取り切れず、細菌が繁殖することです。
部分入れ歯や総入れ歯に使われているプラスチック素材と、金属のバネ(クラスプ)が臭いがつきやすい部分です。
入れ歯は毎食後にブラシで洗い、夜は寝る前に外して洗浄液に浸けることが重要です。また、専用のブラシを使い、普通の歯磨き粉や漂白剤は避けましょう。
まとめ
入れ歯に臭いがつかないように、洗浄方法についてご説明しました。口臭は入れ歯が原因ではない場合もありますので、お口の中に臭いの原因となる歯垢や歯石が残らないよう、定期健診で歯のクリーニングを受けるようにしましょう。