虫歯になりやすい方は、以下の三点に気を付けましょう。
- 歯みがきの改善
- 唾液の質と量の改善
- 食事やおやつの時間や回数の改善
- キシリトールの摂取
歯みがきの改善
虫歯になりやすい人は、歯みがきがうまく出来ていない場合が多いです。毎日2~3回歯磨きをしていたとしても、磨き残しがあると、歯垢がたまってその部分に虫歯菌が棲みつき、虫歯になってしまいます。
普通の歯ブラシだけでは完璧に歯垢を落としきることが出来ません。歯垢が残りやすい歯と歯の間、歯と歯茎の間などは、デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシなどを併用すると、効果的に歯垢を落とすことが出来ます。
当院では歯の健診の際に、歯垢を染め出す薬を使って、どの部分に磨き残しがあるのかを実際に患者さんに見て頂きます。その部分は患者さんが歯みがきの際に苦手としている部分でもありますので、歯間ブラシ等の適切な補助器具を使って、丁寧に歯磨きするようにしましょう。
どのようにすれば磨き残し部分がきれいになるか、歯科衛生士がお話いたします。
唾液の質や量の改善
唾液が出にくくなったり、粘っこい唾液が出たりする原因の多くは、夜更かしやストレスによるものです。
唾液の量のチェックポイント
- ペットボトル飲料などを1日に1500ml以上飲んでいる
- 食事の時に味噌汁やお茶などで流し込んでいる
- 口の中がネバネバする、またはパサパサしている
- 口呼吸をしている
- 口臭がある
- 口の中に口内炎ができやすい
- 歯磨きをしていても虫歯になる
3つ以上当てはまった方は、唾液の量が少なくなっていることが考えられます。
唾液を増やすには
- 水分をとる
唾液を増やすためには、まず水分をとりましょう。
出来ればカフェインの入っていない水や番茶、麦茶などがおすすめです。 - よく噛んで食べる
よく噛むと唾液腺が刺激されて唾液が出ます。
食品を選ぶときに噛みごたえのあるものを選ぶようにしましょう。 - 唾液腺をマッサージする・耳下線ーー耳の下より少し前を指でそっと回すようにマッサージします。
・舌下腺ーー顎の下に親指を当ててやさしく押すようにマッサージします。
・顎下腺ーー手をグーにして顎の下を後ろから前へマッサージします。 - 唾液の量を増やしてくれる抗酸化物質をとる・イソフラボンーー納豆などに含まれる
・ケルセチンーーネギやタマネギに含まれる
・コエンザエムQ10ーーサプリメントで摂取する
・ビタミンCーー柑橘類などに含まれる
食事やおやつの時間や回数の改善
食事をとるタイミングや回数をきちんと守りましょう。糖類を含む飲み物を長い時間をかけて少しずつ飲む癖がある方は虫歯になりやすいため、時間を決めてとるようにしましょう。
おやつをだらだら食べる習慣のある方も、時間を決めてとるようにしましょう。
キシリトールの摂取
キシリトールの働きの代表的なものは以下の2点です。
- 歯垢中のミュータンス菌を減らして虫歯の原因となる酸を作らせない
- 唾液をより多く出して唾液の働きにより虫歯になりにくい口腔内環境をつくる
キシリトールは天然素材甘味料で人体にも安全なものです。虫歯予防のためにはキシリトール入りのガムやタブレットを1日3回毎食後すぐ摂ることが効果的です。特に虫歯になりやすい人は、間食後と就寝前にもガムやタブレットでキシリトールを摂ることをお勧めします。
虫歯や虫歯になりやすい体質は遺伝するの?
生まれてすぐの赤ちゃんのお口の中には虫歯菌はいないことをご存じでしょうか?虫歯はミュータンス菌と呼ばれる細菌によって引き起こされる感染症です。そのため、虫歯になるのは遺伝ではありません。
ご両親に虫歯が多ければ、スプーンなどの食器を共有することでご両親から赤ちゃんに虫歯がうつってしまいます。そのため、ご両親に虫歯が多いと、赤ちゃんが虫歯になるリスクが高いといえます。
しかし、お口の中に虫歯菌がいれば必ず虫歯になるわけではありません。腸内細菌に善玉菌と悪玉菌がいることは良く知られていますが、お口の中にも善玉菌と悪玉菌がいます。細菌の数のバランスが崩れて悪玉菌が増えると、虫歯や歯周病にかかりやすくなります。
虫歯になりやすい人に対する対策に関するQ&A
虫歯になりやすい人は、デンタルフロスや歯間ブラシなどを併用して歯垢を丁寧に落とすことが重要です。歯磨きの際に苦手としている部分は歯みがきの改善のポイントとなります。歯科衛生士に相談し、適切な補助器具を使いながら磨き残しを防ぎましょう。
唾液が減少する原因には夜更かしやストレスがあります。唾液の量が少ないかもしれない場合、ペットボトル飲料の摂取量や食事の際の流し込み、口呼吸、口内炎の頻発などをチェックしてみましょう。唾液を増やすには水分を十分に摂取し、よく噛んで食べること、そして唾液腺をマッサージすることが効果的です。また、イソフラボンやビタミンCを含む食品やサプリメントの摂取もおすすめです。
虫歯自体は遺伝しませんが、虫歯菌が親から子へ感染することで虫歯のリスクが高まります。生まれてすぐの赤ちゃんは虫歯菌を持っていないため、親の食器を共有するなどで感染する可能性があります。しかし、虫歯になるかどうかは個人の口腔内環境や生活習慣によって異なります。虫歯予防には適切な歯みがきと食生活の改善が重要です。
まとめ
虫歯になりやすい方におすすめの対策は
- 歯みがきの改善
- 唾液の質と量の改善
- 食事やおやつの時間や回数の改善
です。虫歯が気になる方は、歯の定期健診を受けてることをおすすめします。
虫歯が悪くなってからでは歯をたくさん削ることになりますし、治療回数も金額も増えますので、虫歯や歯周病は出来る限り予防しましょう。