入れ歯が痛くてはめられないとか、うまく噛めないなど、入れ歯でお困りの方も多いと思われます。なぜ入れ歯が合わないということが起こりがちなのか説明していきます。
入れ歯が合わないと感じる理由とは?
入れ歯は、失った歯を補うための一般的な治療のひとつですが、患者さんによっては「入れ歯が合わない」「違和感がある」と感じることがあります。これは患者さんにとって大きなストレスとなり、日常生活に支障をきたす場合もあります。では、なぜ入れ歯が合わなく感じることがあるのでしょうか?その主な理由として以下の要因が考えられます。
- 入れ歯のサイズや形が不適切
- 口腔内の骨や歯茎の変化
- 長期間の使用による摩耗
- 不正咬合や歯の位置のズレ
これらの要因は、入れ歯の機能性に影響を与え、快適に使用できない原因となることがあります。
入れ歯の作成過程での問題点
入れ歯を作成する際には、患者さんの口腔内の状態や個々の要件に応じて調整が行われます。しかし、以下のような問題が発生することがあります。
- 型取りの精度の問題
入れ歯の型取りが不正確だと、実際の口腔内にぴったりと合わなくなってしまいます。歯茎の形や口腔内の構造と入れ歯の間に小さな誤差が生じただけで、入れ歯のフィット感は大きく違ってきます。 - 素材の選定
入れ歯に使用される素材が患者さんに合わないこともあります。特に、アレルギーや敏感肌の患者さんは、特定の素材に対して反応を示すことがあります。 - 設計上の問題
入れ歯の設計が不適切な場合、例えば咬合のバランスが取れていないと、食事の際に入れ歯が動いて噛みにくかったり、痛みを感じたりすることがあります。
口腔内が変化した場合の入れ歯への影響
時間が経つにつれて、患者さんの口腔内には変化が起こります。特に以下の点に注意が必要です。
- 歯茎の退縮
年齢や歯周病などの影響で歯茎が退縮することがあります。その結果、入れ歯が緩くなったり、フィットしなくなることがあります。 - 顎骨の吸収
歯を失った後、顎骨が少しずつ吸収されることがあります。この骨の吸収が進むと、お口の中の形が変わってしまうため、入れ歯がしっかりと固定されにくくなり、ズレやすくなります。 - 口内環境の変化
口腔内の湿度や唾液の分泌量の変化も、入れ歯のフィット感に影響を与えることがあります。ドライマウスの患者さんは特に入れ歯が合わないと感じることが多いです。
入れ歯の摩耗と劣化
長期間使用している入れ歯は、次第に摩耗や劣化が進行します。特に以下の点に注意が必要です。
- 入れ歯の摩耗
食事や日常生活での使用によって、入れ歯の咬合面が少しずつ摩耗します。その結果、食べ物を噛む力が弱くなったり、咬合がズレてしまうことがあります。 - 素材の劣化
プラスチックや金属など、入れ歯に使用されている素材も経年劣化します。この劣化が進むと、入れ歯が破損しやすくなったり、形が変わることでフィット感が悪くなります。 - 変色や汚れの蓄積
歯垢や汚れが蓄積すると、入れ歯の見た目にも影響が出ます。定期的なメンテナンスや入れ歯専用の洗浄剤を使用することで、これを防ぐことができます。
適切な入れ歯の調整とメンテナンス
入れ歯が合わないと感じた場合でも、適切な調整やメンテナンスを行うことで、再び快適に使用できるようになることがあります。
- 定期的な健診
歯科医院での定期的な健診は大変重要です。健診では、入れ歯のフィット感を確認し、必要に応じて調整が行われます。特に、口腔内の変化に応じた調整が必要な場合が多いです。 - 歯磨きと入れ歯の清掃
入れ歯は毎日のケアが重要です。歯磨きだけでなく、専用のブラシや洗浄剤を使用して入れ歯を清潔を保つことが、長持ちさせるために欠かせません。 - 適切な保管
入れ歯を使用しない際には、専用の容器に保管することが推奨されます。乾燥を防ぎ、形状を維持するためです。
入れ歯が合わない場合の対処法
入れ歯がどうしても合わない場合の主な対処法は以下のようなものです。
- 新しい入れ歯の作成
もし入れ歯の摩耗や劣化が著しい場合、新しい入れ歯を作成することが必要になることがあります。特に、顎骨や歯茎の状態が大きく変化している場合は、新しい入れ歯を作ることをおすすめします。 - 部分入れ歯やインプラントの検討
部分的に入れ歯が合わない場合、部分入れ歯やインプラントを併用することで快適さが向上することがあります。 - 歯科医との相談
何か問題を感じたら、すぐに歯科医に相談することが大切です。専門的なアドバイスや対策が得られるだけでなく、必要な調整を行うことが出来ます。
まとめ
入れ歯は、何度も合うように調整を重ねていくもので、少しの調整で済む場合もあります。
どうしても保険診療の入れ歯が合わない場合は、自費診療の入れ歯を作ることもできます。
保険診療の入れ歯に使える材料は限られていますが、自費診療の入れ歯ですと、患者さんのお口に合う形の入れ歯を作ることができます。
オーダーメイドになると自分の歯で噛んでいるような噛み心地や食べ物の味や温度が伝わりやすくなって、美味しく食事をすることができるようになります。