
繰り返す口の中の傷…それ、もしかして噛んでしまっていませんか?
ふとした瞬間に「またほっぺたを噛んでしまった」「舌が当たって痛い」など、同じ場所を何度も傷つけてしまうことはありませんか?
こうした悩みは一見ささいなようで、実は生活の中でじわじわとストレスになります。食事がしづらくなったり、口内炎ができやすくなったり…。
今回は、そういった「口の中を噛んでしまう」原因と、その対処法についてご紹介します。
目次
小さな傷が意外とつらくてダメージがある
たった一度の噛み傷でも、しばらく痛みが続いたり、繰り返し噛んでしまって傷が大きくなったりと、思った以上に影響が出ることがあります。
→ 傷ついた部分に細菌が入ると、炎症が起きやすくなります。噛んだダメージ+口の中の細菌で、痛?い口内炎になる可能性も。
→ 一度腫れてしまうと、また同じ場所を噛んでしまう…ということもよくあります。同じ場所を繰り返し噛むと、慢性的な傷になってしまうこともあります。
→ 傷口の違和感や痛みで、日常のちょっとした動作が不快になることも。傷があることで、「しゃべるのも食べるのも地味に痛い」という日々に…。
→ 傷口から細菌が入り、腫れや化膿を引き起こすケースもゼロではないので、注意が必要です。
こうしたトラブルを防ぐためにも、「なんで噛んじゃうのか?」を知ることが大切です。
なぜそんなに噛んでしまうの?考えられる原因とは
「また同じ場所を噛んでしまった…」そんなとき、実は身体の中で何かしらの“噛みやすい状態”が起きている可能性があります。口の中を噛んでしまう原因は、意外とたくさんあり、以下のようなことが関係しているかもしれません。
本来、上下の歯はバランスよく噛み合うことで、頬や舌が巻き込まれにくい状態になっています。しかし、歯の位置がずれていたり、上下のバランスが崩れていると、噛むたびに歯の間にほっぺたや舌が入り込みやすくなります。
特に下の親知らずが斜めに生えていたり、スペースが足りない状態で無理に生えていると、ほおの内側に当たってしまいやすくなります。何気ない咀嚼の動作で、ガブッと噛んでしまう原因になることも。
むし歯治療後の被せ物や詰め物が、ほんのわずかに高すぎるだけでも、噛み合わせにズレが生じることがあります。結果として、舌やほほの内側を巻き込みやすくなってしまうのです。
はじめはちょっとしたミスで噛んでしまっただけでも、その部分が腫れることで、物理的に歯に近づいてしまい、さらに噛みやすくなる…という悪循環が起きることもよくあります。
寝ている間に強く噛みしめている方は、無意識に舌や頬を巻き込んで傷つけてしまうことがあります。朝起きたときに「なんだか口の中が痛い」「舌の先がヒリヒリする」と感じたことがあれば、この可能性が高いかもしれません。
精神的な緊張や疲労がたまってくると、顔や口まわりの筋肉の動きがぎこちなくなり、口の中の組織が思わぬ場所に移動してしまうことがあります。結果として、舌や頬を噛んでしまいやすくなります。
さらに、こんなケースも
ほおの脂肪や筋肉が減少すると、内側の粘膜が下がり、歯に接触しやすくなることがあります。
年齢とともに歯がすり減ったり、歯周病で歯が動いたりすることで、かみ合わせが変化しやすくなります。
これらは一つだけでなく、複数が重なっている場合も多いため、気になる方は早めに確認してみるのがおすすめです。
日常でできる予防法とセルフケア
口の中を噛んでしまうのを防ぐためには、普段の生活の中でちょっとした工夫をすることがとても大切です。以下のような予防法とセルフケアを意識することで、繰り返す噛みミスをぐっと減らすことができます。
食事中の「噛む」を見直してみましょう
ゆっくりと丁寧に噛むように意識する
慌てて食べたり、ながら食べをしていると、舌や頬の位置に気づかず噛んでしまうことが増えます。ひと口ごとに30回程度噛むのを目安にすると◎
早食いは噛みミスの原因に。しっかり噛んで、落ち着いて食べることが大切です。よく噛まずに食べると、噛みやすくなります。とにかく落ち着いて食べるのがポイント。
食事中は背筋を伸ばし、正しい姿勢を意識する
姿勢が悪いと顎の位置がずれて噛み合わせが不安定になります。イスに深く座り、背筋を伸ばして食べるだけでも、歯や顎の動きが安定します。
一口の量を少なめにする
口いっぱいに入れてしまうと、頬や舌が歯の間に巻き込まれやすくなります。ゆっくり少量ずつ食べることで、事故を防ぎやすくなります。
一口が多すぎると、ほっぺたが巻き込まれやすくなるので、口に入れる量も調整してみて。
ポイント
忙しい毎日の中でも、「食べる時間」を丁寧に過ごすだけで、噛むトラブルを防ぐ第一歩になります。
噛んでしまった直後のケアも大切です
すぐに口をすすぐ
水やマウスウォッシュで口の中を清潔に保ち、ばい菌が入らないようにします。
市販の口内炎薬や軟膏を活用する
痛みがあるときは、口内炎用の塗り薬で患部を保護しましょう。就寝前の使用がおすすめです。
刺激物を避ける
唐辛子やアルコール、熱すぎる飲み物などは炎症を悪化させることがあります。治るまでは控えめに。
ポイント
早めの対処が傷の悪化や再発を防ぎます。「ちょっと痛いかも」と感じた時点でケアを始めましょう。
就寝中のトラブルは「マウスピース」で対策
歯ぎしり・食いしばりがある方は要注意
寝ている間の無意識な動きが原因で、舌や頬の内側を傷つけてしまうことがあります。
歯科で作るナイトガード(マウスピース)がおすすめ
夜間の歯ぎしりや舌の巻き込み対策に、歯科で作るマウスピースが効果的です。就寝中の無意識の動きによる傷を防ぐことができます。
自分の歯型に合った専用のマウスピースは、歯や口の中を守るだけでなく、顎への負担も減らしてくれます。
ポイント
朝起きたときに「口の中が痛い」と感じる方は、歯科での相談を検討してみてください。
ストレスと上手に付き合うことも予防に繋がる
緊張やストレスで口まわりの筋肉が硬くなる
知らず知らずのうちに、頬や舌の動きがぎこちなくなり、噛みやすくなってしまいます。
適度なリラックスタイムをつくる
ストレスをため込まないことで、筋肉の緊張をやわらげます。
深呼吸、軽いストレッチ、お風呂でリラックスなど、自分に合った方法で緊張をゆるめてあげましょう。
ポイント
身体だけでなく「こころ」からのケアも、口のトラブルを防ぐ秘訣です。こうしたセルフケアを日々取り入れるだけでも、症状の予防につながります。ちょっとした意識が大切ですね。
意識とケアの積み重ねが予防のカギ
噛んでしまう原因の多くは、日常の何気ない習慣にあります。
それだけに、以下のような意識を少し変えるだけでも、大きな予防効果が期待できます。
食事をゆっくり丁寧にとること
口の中を清潔に保ち、傷ができたらすぐにケア
歯ぎしり対策にマウスピースの活用
ストレスをためず、リラックス時間を意識的に確保
毎日の暮らしの中でできることから、無理なく取り入れてみてくださいね。
「また噛んでしまった…」の小さなストレスが減って、心地よい毎日につながります。
気になる時はプロに相談!歯科でできる専門的な対策とは?
「何度も同じ場所を噛んでしまう」「治りかけてもまた繰り返す」など、お困りの際は、ぜひ歯科医院へご相談ください。
不正咬合が原因なら、調整や矯正治療のご提案も可能です。必要に応じて、被せ物・詰め物の再調整や矯正のご提案をいたします。
噛みやすい位置にある場合は、抜歯を含めた治療が検討されることもあります。
寝ている間の無意識の動き対策に有効。オーダーメイドで快適です!
繰り返し傷ついた場所に悪性の病変が隠れていることもありますので、必要に応じて検査を行います。
専門的な視点で原因を見極めることで、より的確な対策が可能になります。
気になるときは、遠慮なく相談を
「こんなことで相談してもいいのかな?」と思われるかもしれませんが、口の中のちょっとした違和感こそ、大切なサインです。
つい放っておきがちですが、繰り返す前に一度、歯科医院でチェックを受けてみてください。
丁寧に診察し、患者さんに合ったアドバイスをさせていただきます。
安心して、気軽にご相談くださいね。
まとめ
「口の中を噛んでしまう」原因は、かみ合わせや歯ぎしり、ストレスなどさまざま。
[jin_icon_checkcirclesize=”20px”] 傷は放置せず、早めのケアが大切です。 [jin_icon_checkcirclesize=”20px”] 日常のちょっとした工夫で、予防ができます。 [jin_icon_checkcirclesize=”20px”] 繰り返すときは、歯科での専門的な診察がおすすめ。 [jin_icon_checkcirclesize=”20px”] 無理せず、違和感があるうちに相談を。