インビザラインをおすすめしないのはどんな場合？

インビザラインは目立たない矯正で、痛みが少ないために人気の矯正方法ですが、インビザラインでの治療が合わない方もおられますので、ご説明します。

インビザライン治療をお勧めしないケース

インビザラインでの矯正治療をおすすめしない主なケースは以下のようなものです。

1. 重度の不正咬合の人

出っ歯や叢生（ガタガタ）、受け口の程度が重度の方は、インビザラインでの治療は不可能ではありませんが、かなりの期間がかかってしまうため、ワイヤー矯正を併用して治療を行うことをおすすめします。

マウスピース矯正はマウスピースを1週間程度で新しいものに付け替えながら歯を動かして行きますが、1枚のマウスピースで歯を動かせるのは0.25mm程度に設計されています。そのため、抜歯矯正では時間がかかるため、ワイヤー矯正を併用して行う場合が多いです。

2. 長期的な通院が困難な人

インビザライン治療は約2～3年と長期にわたるため、転居や転職などで定期的な通院が難しい場合は、治療の途中で転院が必要になります。

転院する場合には元々通っていた医院である程度の費用の清算を受けることが出来ると思いますが、新しい医院で追加の費用が発生する可能性があります。

3. 定期的な通院が困難な人

インビザラインでは2～3ヶ月に一度の通院で良いなど、ワイヤー矯正等よりも通院回数が少なくなる傾向があります。しかし通院なしというわけにはいきませんので、ある程度の期間、定期的に通院出来ることが必要になります。

4. インビザラインの装着時間を守れない人

インビザラインは取り外しが可能ですが、1日22時間以上装着しなければなりません。そのため、毎日適切な装着時間を守るための自己規律が必要です。

装着時間をルーズにしてしまうと、治療計画通りに歯が動きません。治療の途中でマウスピースが歯にはまらなくなるリスクもありますので、必ず装着時間を守りましょう。

5. マウスピースを清潔に保てない人

マウスピースは食事や歯磨きなどで外したタイミングできれいに洗う必要があります。外出先では洗えないことがあったとしても、出来る限り洗ってから再装着しましょう。

6. 歯みがきが嫌いな人

インビザラインの治療中は虫歯になりやすい状態になります。そのため、食後は出来る限り歯磨きを行うことが推奨されます。外出先で歯磨きが出来ない場合は、マウスウォッシュでうがいをするだけでも何もしないよりはマシです。（※マウスウォッシュは歯磨きの代わりにはなりません）

7. 虫歯になりやすい人

口内の環境や生活習慣、体質などによって虫歯になりやすい方がおられます。インビザラインは飲食によって歯とマウスピースの隙間に糖分が入らないように注意しなければ、虫歯になってしまいます。

また、歯にマウスピースを装着すると歯に唾液が行き渡りにくく、虫歯になりやすい環境になります。

8. 歯ぎしりや噛みしめ、食いしばりの癖のある人

インビザラインはごく薄い樹脂で出来ていますので、歯ぎしりや噛みしめ、食いしばりの癖のある場合、上下のマウスピースに強い力がかかって穴があくことがあります。

9. 顎関節症を患っている人

顎関節症は歯列矯正では治らないことがあり、その場合は逆に症状が悪化するリスクがあります。

10. 矯正治療を早めに終わらせたい人

マウスピース矯正では7日程度で新しいマウスピースに交換していきますが、マウスピース1枚で歯は最大でも0.25mmしか動きません。

動くのが遅いために痛みが少ないというメリットもありますが、矯正治療自体を早く終わらせたい方には、インビザラインよりもマウスピース矯正の方が向いています。

インビザラインをおすすめしないケースに関するQ&A

まとめ

インビザラインでの矯正治療は多くの人に適していますが、特定の状況においては他の選択肢を検討することが推奨されます。

重度の不正咬合、定期的な通院の困難さ、装着時間の管理不足、マウスピースの清潔保持が難しい人、虫歯になりやすい人、歯ぎしりや噛みしめの癖がある人、顎関節症の症状がある人、治療を迅速に終わらせたい人は、インビザラインよりも他の矯正方法を検討する方が適している場合があります。

これらの点を考慮して、最適な矯正治療法を選択することが大切です。