歯ぎしりは強い力で歯が揺さぶられるため、被せ物が取れやすい、破損しやすいなど、注意が必要です。インプラントに対しても同様にダメージを与えますので、ご説明します。
目次
歯ぎしりしていてもインプラントは出来る?
歯ぎしりをしているからといって、インプラントが不可能というわけではありません。しかし、歯ぎしりをすると、歯や顎関節に大きな力がかかり、天然歯だけでなくインプラントにも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため歯ぎしりの患者さんがインプラント治療を受ける場合は、以下の点を考慮する必要があります。
1. 歯ぎしりの程度
歯ぎしりの程度や原因、影響を受ける範囲などを評価することが重要です。口腔内の検査やX線撮影などを行います。
2. 先に歯ぎしりの治療を行う
歯ぎしりが重度と診断された場合は、インプラント治療の前に歯ぎしりの治療や歯を守るための処置を行うことをおすすめします。
3. インプラント治療後にナイトガードを使用する
インプラント手術後、歯ぎしりから歯を守るためのマウスガードやナイトガードの使用をおすすめすることがあります。
4. 定期的な歯科健診
インプラント治療後に、インプラントの状態や歯ぎしりの状態を定期的にチェックするために定期健診を受けて頂く必要があります。
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、被せ物が擦り減ったり外れたりするリスクがあるだけでなく、インプラント体そのものが強い力で揺すられるためにグラグラし出す可能性もあります。そのため、歯ぎしりや食いしばりのある方は、インプラント治療に入る前に担当医に相談しましょう。
歯ぎしり・食いしばりによるインプラントのリスク
- 歯ぎしりによって上部構造が擦り減る
- 歯ぎしりの揺れによってインプラント体がグラグラし始める
歯ぎしりはどの程度歯に影響あるの?
歯ぎしりや食いしばりの時に瞬間的に歯にかかる力は、体重の倍以上といわれますので、成人男性では100kg以上の力がかかることになります。
そのため、被せ物が擦り減って噛み合わせがおかしくなるだけでなく、歯根を傷めて神経の治療が必要になったり、インプラントの場合は、インプラントが骨の中で動くようになってしまい、インプラント治療の失敗の原因になります。
歯ぎしりの直接的な原因は不明とされています
寝ている間に上下の歯をギリギリと擦り合わせてしまうのが歯ぎしりです。歯ぎしりは睡眠下で起こるため、自分の意思では止められません。
そのため、本人の知らない間に歯のエナメル質が擦り減ったり、被せ物にダメージを与えたりします。
歯ぎしりの原因は、ストレス、飲酒、喫煙、薬の影響などが考えられますが、医学的にはっきりとした原因が解明されていないので、根本的に歯ぎしりをなくす治療方法というものはありません。
そのため、主にストレスに対するケアなどが、歯ぎしりへの対策としてすすめられることが多いです。
歯ぎしりから歯を守るためのナイトガード
歯ぎしりの癖のある方は、なるべくストレスのない生活を送ることを心がけなければなりませんが、眠っている間に歯ぎしりから歯を守るために、寝る前にナイトガードと呼ばれるマウスピースをつけるという対症療法が一般的に歯科医院では良く行われています。
歯ぎしりのある人のインプラント治療に関するQ&A
歯ぎしりや食いしばりの癖があると、インプラント治療において被せ物が擦り減ったり外れたりするリスクがあります。また、インプラント体自体が強い力で揺すられるため、グラグラし始める可能性もあります。そのため、歯ぎしりや食いしばりのある方は、事前に担当医に相談することが重要です。
歯ぎしりや食いしばりの際には瞬間的に歯にかなりの力がかかります。これは体重の倍以上に相当し、成人男性では100kg以上の力がかかることになります。その結果、被せ物が擦り減ったり噛み合わせが乱れたりするだけでなく、歯根の損傷や神経治療の必要性が生じる場合もあります。また、インプラントの場合は動き出し、治療の失敗につながる可能性もあります。
医学的にはっきりとした原因が解明されていないため、根本的に歯ぎしりをなくす治療方法は存在しません。主にストレスへのケアが歯ぎしりへの対策として推奨されます。
まとめ
歯ぎしりや食いしばりはインプラントそのものにダメージを与えますので、ナイトガードを使用して、少しでも上部構造へのダメージを減らすと共に、出来るだけストレスを減らすことが大切です。
また、インプラント治療が終わってからは、インプラントを長持ちさせるためのメンテナンスが必要になります。メンテナンスをしっかり受けながら、インプラントが悪い状態にならないように、僅かでも兆候があれば素早く見つけて対応することが必要になります。