ホワイトニングをしたいけど、歯に悪いという噂を聞いてしまうと、不安になる方は多いでしょう。白く美しい歯になるのがホワイトニングですが、安全な治療なのか、ご説明します。
歯に悪いホワイトニングとは
歯に悪いと言えるホワイトニングは、以下の三つでしょう。
- 知識や安全性が低いサロンでセルフホワイトニングをした
- 個人輸入で海外の製品を使用しセルフホワイトニングをした
- ネットの情報を信じて自己流でホワイトニングをした
知識や安全性が低いサロンでセルフホワイトニングをした
安心できるホワイトニングは、歯科医師や歯科衛生士がいる医院で行うオフィスホワイトニングやホームホワイトニングと言えます。そのため、知識がないサロンで行うと、何かトラブルが起きた際に、すぐに処置を行えません。
個人輸入で海外の製品を使用しセルフホワイトニングをした
海外で製造されたホームホワイトニングキットという商品もあるようですが、厚生労働省の認可が下りていないものや、配合成分の安全性が不明瞭なため、品質の安全性に疑問が残ります。また、エナメル質の厚みが日本人と外国人とを比べた場合、日本人のエナメル質が薄いと言われています。副作用などのリスクが高まりますので、歯科医院で受診することをおすすめします。
ネットの情報を信じて自己流でホワイトニングをした
ネットや動画の情報を信じて、ご自身の歯を勝手にホワイトニングをすると、口腔内の歯や歯肉を痛めてしまいます。大変危険な行為で、お口にトラブルが起きる原因にもなりますので、勝手にホワイトニングをするのはやめましょう。
ホワイトニングをしてはいけない方
ホワイトニングは全員に行える治療ではありません。下記のような方は、避けておくべきです。
● 詰め物や被せ物が多い方
人工のかぶせ物や詰め物については色を白くすることができません。無理に行うと、白い部分と人工歯や樹脂などそうではない部分の差が明確になってしまいます。
●歯にひびが入っている方
歯のひびから薬剤が染みて歯の神経を刺激して痛みを伴います。歯の健康のためにも、歯が大きく傷ついたり割れている方は、避けてください。
●妊娠中・授乳中の方
ホワイトニングは審美性に重きを置いた処置です。ホワイトニングをしないことで健康を損なうということはありません。特に胎児や赤ちゃんにトラブルがあったという話は聞きませんが、薬剤が及ぼす影響がゼロではない以上、ホワイトニングは避けておきましょう。
●無カタラーゼ症(無カタラーゼ血症)の方
先天的に酵素のカタラーゼが欠損している病気です。この病気の方は過酸化水素を自分で分解し無害化することができません。知らずにホワイトニングを行うと、口腔内に潰瘍など引き起こしてしまいます。
歯の黄ばみの原因
歯に黄ばみが起きる理由をご紹介します。
- 食べ物や飲み物にある色素(ステイン)が白い歯に付着し、歯磨きでは落ちず、着色汚れとなって黄色くなる
- 半透明のエナメル質の下から黄色い象牙質が透けてみるため、黄色く見える
このような原因が主と言えます。
ホワイトニングの流れ
ホワイトニングで歯が白くなる流れをご紹介します。ホワイトニングには3種類ありますので、それぞれの方法でご説明します。
歯科医院で行うオフィスホワイトニング(当院では行っておりません)
通院回数は少なめに早く歯を白くしたい方に向いている方法である
歯の専門家である歯科衛生士が施術を行う
- 歯科衛生士が歯のクリーニングを行い軽い汚れは除去しておく
- 過酸化水素やポリリン酸などのオフィスホワイトニング用の薬剤を歯の表面に塗る
- ハロゲンライトやレーザーを照射する
患者さんのご自宅で行うホームホワイトニング
オフィスより漂白に時間はかかるが、白さを保つ期間がオフィスよりも長い
- 歯科を受診し、自身の歯型に合うマウスピーストレーを作製する
- ホームいホワイトニング用の薬剤をクリニックで購入する
- トレーに薬剤を入れて歯に装着する。1回2~3時間程度トレーを装着し、何度か繰り返す。約2週間程経てばホワイトニングの効果が出てくる
サロンで行うセルフホワイトニング
費用は安いが安全性には疑問がある
- 重曹やポリリン酸などを主成分とした薬剤を歯の表面に塗る
- 医療機器ではないLEDで照射し、歯の漂白をする
ホワイトニングは歯に悪いのかに関するQ&A
正しい方法で行われるホワイトニングは、一般的に歯に悪い影響を与えることはありません。ただし、知識や安全性が低いサロンや個人輸入製品を使用した場合、また自己流で行った場合にはリスクが高まります。
セルフホワイトニングを安心して行うためには、知識や安全性の高いサロンを選ぶことが重要です。歯科医院での相談や処方を受けることもおすすめです。
ホワイトニングは全員に適した治療ではありません。詰め物や被せ物が多い人、歯にひびが入っている人、妊娠中・授乳中の人、無カタラーゼ症の人はホワイトニングを避けるべきです。これらの状況ではホワイトニングが問題を引き起こす可能性があります。
まとめ
むし歯や歯周病がある方は、先に虫歯や歯周病の治療を歯科医師に行ってもらいましょう。ホワイトニングにより痛みが増してしまうからです。それが終われば、歯科衛生士による歯垢(プラーク)・歯石を除去するクリーニングを受診してください。あなたの理想の歯の白さへ徐々に近づけるための日数が必要ですし、歯や歯茎を傷めないように施術を受けることがとても大事です。