歯並びが悪くなるのは遺伝的要因と環境的要因が原因として考えられます。それぞれご説明します。
歯並びの遺伝的要因と環境的要因とは?
歯並びが悪くなる原因を大きく分けると遺伝的要因と環境的要因に分かれます。
歯並びの遺伝的要因とは?
歯並びが悪くなる原因としての遺伝的要因では、歯の大きさや形、歯の生える時期、骨の発育などが親や祖父母から遺伝したことがあげられます。
歯並びの環境的要因とは?
歯並びが悪くなる原因として多いのは環境的要因です。乳歯の時期に虫歯などで歯を抜いた後、歯医者で適切な処置を受けずにそのまま放置した場合や、指しゃぶり、頬づえなどの習慣によって顎の骨が変形してしまった場合などがあげられます。
また、噛む力、舌や唇の癖、口呼吸も歯並びや顎の発育に影響するといわれています。
意外と多い口呼吸
歯並びが悪くなる環境的原因の中でも多いのが、口呼吸の子供です。現代っ子の多くは上顎が狭い傾向があり、鼻詰まりを起こしている子も多く、8割程度の子が口で呼吸をしているといわれます。
アレルギー鼻炎などで鼻が詰まっているために、やむなく口呼吸を続けている間に、口で呼吸する癖がついてしまった子もいます。
口呼吸の子供は舌の位置が下がっていることが多いため、まず正しい舌の位置を確認しましょう。舌の先がスポットに触れて、舌全体が上顎の口蓋に軽く触れている状態が、正しい舌の位置です。
しかし多くの子供たちは舌が上顎に触れた状態ではなく、舌に落ちた状態になっています。これを低位舌といいます。
低位舌になると舌の付け根の骨(舌骨)の位置が変わって気道を狭くするために口呼吸になってしまいます。口がずっと開いていることで、頬の内向きの圧力が強まって、上の歯が常に頬に内側に押されるために横幅が狭く前方向に尖ったV字型の歯並びになりやすいです。
子供の口呼吸によって歯並びが悪くなっていることが多いため、ぜひ舌の位置を一度チェックしてみて下さい。
歯並びや噛み合わせが悪いとどういう影響が出るの?
上下の歯が適切に噛み合っていない状態のことを不正咬合といいます。不正咬合の場合、歯と歯が重なり合っていたり、生えてくる位置がおかしかったりして、歯と歯の間のブラッシングが難しくなり、歯垢や歯石が溜まってしまいます。
歯垢や歯石の中には細菌がたくさん棲息しているので、歯垢や歯石を放置すると虫歯や歯周病になりやすくなります。
また、不正咬合をそのまま放置すると、顎の骨に負担がかかり続けて、噛むと顎の骨が鳴る、口が開けづらい、口を開けると顎骨に痛みが出る、などの顎関節症を発症することもあります。
すきっ歯で歯と歯の隙間が大きい場合には、隙間から空気が抜けてしまうせいで発音が不明瞭になり、聞き取りづらくなることもあります。
噛み合わせの悪さから起こる肩こりや腰痛、頭痛もあり、不正咬合はお口の中だけでなく、全身に様々な悪影響を引き起こします。
歯並びが悪くなる原因や影響に関するQ&A
歯並びの遺伝的要因は、親や祖父母から受け継いだ歯の大きさや形、歯の生える時期、骨の発育などが含まれます。
歯並びの環境的要因は、乳歯の時期に虫歯などで歯を抜いた後、適切な処置を受けずに放置した場合や、指しゃぶりや頬づえなどの習慣によって顎の骨が変形するなどが含まれます。
不正咬合を放置すると、歯と歯の間のブラッシングが難しくなり、歯垢や歯石が蓄積しやすくなります。また、顎の骨に負担がかかり続け、顎関節症の症状が現れる可能性があります。さらに、発音の不明瞭さや全身の不快感、肩こりや腰痛、頭痛などの悪影響も起こります。
まとめ
歯並びが悪い原因には遺伝的要因と環境的要因があります。口呼吸が原因で歯並びが悪くなっている子供もいますので、まずはお子さんが口呼吸か鼻呼吸か、そして舌先がスポットについているかどうかをチェックしてみましょう。低位舌の子供は早めに癖を治した方がいいので、一度歯医者にご相談ください。