甘いものと食べると虫歯になるとよく言われますが、それは本当なのでしょうか? 虫歯になるメカニズムについてご説明します。
目次
虫歯菌は糖類が大好き
お口の中にはたくさんのばい菌がおり、歯にくっついた食べ物のカスなどをエサにして生きています。細菌が食べ物のカスを消化する時に酸性の液を出し、その酸によって歯が溶かされるのが虫歯です。虫歯を引き起こす細菌を虫歯菌と呼んでいます。
虫歯菌の大好物は糖分で、甘いものが好きでたくさん食べるのに歯みがきが十分に出来ていないと、虫歯菌がどんどん酸を出すため、歯が溶けて虫歯になってしまいます。
「甘いものを食べると虫歯になる」というのは以上のような理由によります。甘いものを食べても食後すぐに丁寧に歯磨きをしていれば、虫歯のリスクを減らすことが出来ます。
果物なら甘くても虫歯になりにくいって本当?
虫歯菌が酸を作るための原料となるのは、糖質の中でも最も小さな分子である単糖類です。単糖類にはブドウ糖や果糖が含まれます。
果糖とは果物に含まれる糖質のことで、血糖値を上昇させにくいといわれています。しかし虫歯菌にとっては果糖もエサになりますので、甘い果物も虫歯の原因になります。
ハチミツは虫歯になりにくいって本当?
ハチミツには抗菌作用があるので虫歯になりにくいという情報もありますが、ハチミツも糖質ですので、虫歯菌が酸を作る原料となり、虫歯の原因になると考えられます。
ただし、マヌカハニーのような強い殺菌成分を持つハチミツの場合は、虫歯の原因にはならないという説もあります。
マヌカハニーとは、ニュージーランドに生息しているマヌカという木の花の蜜が原料となって、採取されたはちみつのことです。ニュージーランドは夏が短く、12月に4週間ほどしか咲かないため、マヌカハニーはとても希少価値が高く高価なはちみつです。
ご飯やパンは虫歯になる?
ご飯やパン、麺類などに含まれるでんぷんは多糖類と呼ばれる、単糖がいくつも結合したものです。これらも食べる回数や量によっては虫歯を引き起こす原因になります。
虫歯になりやすいおやつは?
- ネバネバしたもの
- 歯にくっつくもの
- 砂糖がたくさん含まれているもの
- 口の中に長くとどまるもの
上記に該当するのは、キャラメルやチョコレート、飴、クラッカー、クッキー、スポーツ飲料、ジュースなどです。殆どの甘いおやつが含まれます。
これらを食べたあとはていねいに歯磨きをしましょう。
虫歯になりにくいおやつは?
虫歯になりにくいおやつもありますので、ご紹介します。
- 口の中でサッと溶けるもの
- 砂糖が入っていないもの
- 良く噛んで食べるもの
例えば、ヨーグルト、ナッツ、チーズ、するめなどで、甘いおやつ以外のものです。
甘いものは控えるか、食べたらすぐに歯磨きを
甘いおやつは虫歯菌のエサになるため、虫歯になりやすいことがわかりました。甘いおやつを食べる時に気をつけたいことは、だらだら食べずに時間を決めて食べることと、甘いおやつを食べたあとは歯を磨くということです。
外出先などですぐに歯磨きが出来ない日は、夜にていねいに歯のケアを行いましょう。そうすることで虫歯のリスクを少し下げることが出来ます。
糖質は摂ってははいけないわけではなく、適度に摂ることが大切です。糖質を摂りすぎると虫歯や歯周病のリスクが高まりますし、深刻な病気に繋がる可能性もあるため、注意が必要です。
甘いものは虫歯の原因になるのかに関するQ&A
虫歯菌が甘いものを好むため、摂取した糖分が虫歯の原因となります。虫歯菌は食べ物のカスをエサにし、その過程で酸を出して歯を溶かします。
果物に含まれる果糖は虫歯菌のエサになりますので、甘い果物も虫歯の原因になります。ただし、果糖は血糖値を上昇させにくい性質があります。
ハチミツには抗菌作用があるため、一般的なハチミツは虫歯になりにくいとされています。ただし、ハチミツも糖質を含んでいるため、過度な摂取は虫歯のリスクを高めます。
まとめ
虫歯にならないためには甘いものを控える、甘いものを食べる時は時間を決めて食べ、食べ終わったら歯を磨くということを守っていただくことなどが大切です。おやつとして、甘い物だけでなく、チーズなどのアルカリ性の食べ物を摂ることも虫歯予防に繋がります。