セルフケアとしての歯磨きは、虫歯予防、歯周病予防の基本です。虫歯や歯周病にならないために、効果的に歯垢を除去する方法をご説明します。
歯ブラシの選び方
ドラッグストアに行くと様々な種類の歯ブラシが販売されており、メーカーによってヘッドの形やブラシの毛のカットやかたさなど、独自の工夫がされています。歯ブラシの選び方はお口の状態によってお一人おひとり違いますが、一般的におすすめできる歯ブラシの特徴は以下のようなものです。
おすすめの歯ブラシの特徴
- 植毛部の長さは成人用で20mm程度
- 植毛は3列で直線型
- 毛足の長さは12mm程度
- 毛先が丸くカットされている
- ネックの部分が細くくびれている
- ハンドル部分は鉛筆持ちがしやすい太さ
- 歯肉に腫れや出血がある場合は軟らかめのブラシ
- 歯肉に腫れや出血がない場合はふつうの硬さのブラシ
歯ブラシはふつうやかためではなく、なるべく柔らかいものがおすすめです。かための歯ブラシを使うと歯の表面が削れてしまいやすく、歯を傷めたり、歯茎の退縮を引き起こすことがあります。
歯ブラシについての基礎知識
歯ブラシの交換頻度は?
古い歯ブラシは汚れを効果的に落とすための毛先の形状等がなくなってしまっている為、逆に歯や歯ぐきを傷めてしまうことがあります。ブラシの毛先が開いていなくても、1~2ヶ月に一度は新しいブラシに取り換えましょう。
電動歯ブラシは?
高齢者の方や歯みがきが苦手でうまく磨けない方は、電動歯ブラシを使うと歯と歯の間の歯垢や食べかすがうまく取れます。
歯みがきが上手な方には、電動歯ブラシは大きなメリットはありません。歯みがきにかかる時間はやや短縮できるかもしれませんが、電動歯ブラシによって歯みがきが更にうまくなったり歯や歯ぐきのためになるということはありません。
電動歯ブラシの取り換えブラシは、普通の歯ブラシと同じように1~2ヶ月に一度取り換えましょう。
デンタルフロスは使った方がいいの?
歯と歯の間には歯垢や汚れがたまります。これらの汚れは歯ブラシの毛先が届かないため、デンタルフロスを使わなければ落としきれません。デンタルフロスは少し練習すれば使いこなせるようになりますので、ぜひセルフケアに取り入れましょう。
デンタルフロスとは?
デンタルフロスは歯と歯の間をそうじするためのナイロンの糸で、歯と歯の間に通して前後に動かすことによって歯垢を糸に絡めて取り除きます。
歯ブラシだけでは歯と歯の間の歯垢の61%しか除去できなかったという調査結果があります。歯ブラシにフロスを併用すると79%取り除けるようになりました(日歯保存誌、48、272 2005年)
歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい方は、つまようじではなくデンタルフロスを使って食べカスをきれいに除去することをおすすめします。歯と歯の間は、歯垢がたまり、虫歯になりやすい箇所です。歯ブラシだけでなく、必ずデンタルフロスも使って歯と歯の隙間の歯垢もきれいに取り去るようにしましょう。
細かい部分が磨けるタフトブラシ
タフトブラシは、ブラシのヘッドが小さく毛先が一つにまとまった形の歯ブラシです。ヘッドとはブラシの先のことで、山型と平型の二つの形状があります。
- 山型のヘッド → 歯と歯の隙間や歯と歯茎の境目を磨くのにおすすめ
- 平型のヘッド → 歯周ポケットの奥の汚れを取り除くのにおすすめ
タフトブラシの毛束はコンパクトな一房になっていますので、細かい部分を磨くのにおすすめです。
タフトブラシのヘッドの大きさは普通の歯ブラシの1/5程度とかなり小さいものです。そのため普通の歯ブラシでは毛先が届きにくい奥歯や歯と歯の間、歯と歯茎の間、歯が重なり合った部分などをピンポイントで磨くことができます。
タフトブラシと普通の歯ブラシを組み合わせて使って頂くと、歯垢などが落ちる効果が2倍になったという調査結果もありますので、ぜひお使いください。
歯間ブラシも使うと更に良い
自宅で出来る歯のケアには、歯ブラシとデンタルフロスが必須です。さて、歯間ブラシはどういう場合に使うのでしょうか?
歯間ブラシはクラウンが連結されているブリッジの装着部分や、歯茎と歯と歯の隙間が少しあいている部分への使用がおすすめです。
ドラッグストアなどで販売されている歯間ブラシにはS、M、Lなどのサイズがありますので、ご自身の歯と歯茎の隙間の大きさにぴったりなサイズを選ぶことが大切です。歯間ブラシが大きすぎると歯茎を傷つけることになって歯茎の退縮を招きますので注意が必要です。
どのサイズの歯間ブラシが適切かは、定期健診の際に歯科衛生士にご相談ください。
歯みがき粉の選び方
ヤニ取りやホワイトニングへの効果をうたっている歯みがき粉には一般的に研磨剤が多く含まれています。また、顆粒入りの歯みがき粉は歯の表面が削れてしまいやすいので、これらの歯みがき粉はあまりお勧めできません。
そして、歯みがき粉はあまり多く使わなくても大丈夫です。
仕上げにフッ素ジェルを塗る
歯みがきの総仕上げにフッ素ジェルを塗ると、虫歯を防ぐことに繋がります。最近ではドラッグストアでも見かけるようになりましたので、手に入れやすいかと思います。
フッ素ジェルは歯ブラシにつけて歯の表面に塗り、出来れば30分くらい飲食せずにそのままおきましょう。
フッ素には虫歯の原因菌が出す酸によって溶けてしまった歯質を元に戻す(再石化させる)作用があり、歯医者でもクリーニングの仕上げによく使われています。歯みがき粉にも含まれている製品がありますが、フッ素ジェルと比べると濃度が薄く効果が弱いです。
https://www.chayamachi-clover.com/faq/1256.html
自宅でできる歯の磨き方に関するQ&A
歯ブラシの交換頻度は、ブラシの毛先が開いていなくても、1~2ヶ月に一度とされています。
高齢者の方や歯みがきが苦手でうまく磨けない方は、電動歯ブラシを使うと歯と歯の間の歯垢や食べかすがうまく取れます。
デンタルフロスを使うと、歯と歯の間に溜まった歯垢や汚れを取り除くことができます。
まとめ
歯ブラシの選び方、デンタルフロス、タフトブラシ、歯間ブラシの使い方などをご説明しました。自宅で毎日歯をケアしても全ての歯垢を落としきることは出来ません。また、歯石は歯ブラシやフロスでは落とせません。
また、歯周病は初期の段階ではまったく自覚症状がなく、自分で気づくことが出来ませんので、年に2~4回程度は歯科医院で定期健診を受けることをおすすめします。